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4/18
Ceduna-Border Villageのちょい手前 468km
昨日に引き続き暑い。
そしてハエも非常に、いや異常に多い。ちょっと休憩しようものなら大群でたかってくる。
すこし興味深いのは、マニラでも見かけた普通のイエバエよりも一回り小型のハエが多いこと。
乾燥していて水に制限があるとあまり大きく成長できないのか、それとも全く違う種類のハエなのだろうか。
前半は樹林地帯、見通しがあまり良くないので走っててそれほど面白いものは見られない。
途中給油に立ち寄ったNundrooという場所ではアボリジニの人が普通に買い物をしていた。
この近く(といっても100㎞単位だが)にアボリジニの人たちのリザーブ(保護区・居留区)があるためらしい。
ごく普通に洋服を着ていてごく普通に買い物をしていた。
昔ながらの伝統的な生活をしている人たちに出会うには、内陸部のアウトバックに行かないといけないようだ。
後半はその名もNullarborから。
背の高い樹木がほとんど生えない、乾燥した起伏のほとんどない平原がどこまでも続く。
東京都何個分、とかそういうレベルじゃない広さ。それがナラボー平原。
360°水平線というのはエビ漁船乗ってるときに体験したが、360°地平線というのは人生初の経験。
開拓時代、道路も無いここを超えようとした人はどんな思いだったんだろうか。
ナラボーの南の末端は海、そして崖。
ある意味グレートオーシャンロードよりすごい光景。
ウルルが世界の中心なら、ここは世界の果てといった感じ。
お約束の(?)Tommorow Never Knows を熱唱してひとり満足感にひたる。
歌い終わったらサクっと進んでボーダービレッジの手前25㎞でキャンプ。
本当はもう少し進んでも良かったのだが、生鮮野菜を消費してしまわないと検疫で没収されるのでもったいない。
玉ねぎの丸ごと一個分を輪切りにしてフライパンで焼いて食い、早めに寝袋へ。
…と、ここで一日が終わるはずだったが今日は違った。
ナラボーは乾燥していてめったに雨なんか降らないと思い、テントのフライシートを張らずに寝てみたのだが、夜中トイレに起きると、遠くの海上で雷が光っているのが見える。
まさかこっちには来ないだろうと油断していたらポツポツと降り出し、しかも風まで強くなってくる始末。
経験上オーストラリアの雨は強く降ることが多いので、もしそうなればずぶ濡れは必至。
大慌てでフライを張り、荷物をテント内に避難させて祈りながら再び寝袋にもぐりこんだ。
4/19
Border Villageのちょい手前-Balladonia 557㎞
幸い昨夜の雨は本降りにはならず、にわか雨で済んだ。
天気も良く、今日はオーストラリアで一番長い直線区間146.6㎞を通りそうなので少しわくわくしながら進む。
昨日と違い今日は左手方、海側からの風で気温がかなり低い。
ボーダービレッジに入る手前で、ナラボー初のサイクリストとすれ違う。
自転車にいっぱいの荷物を積んで、懸命に(?)ペダルを踏んで前進する様を見ると同じ2輪車乗りとしてめちゃくちゃ応援したくなる。
すれ違いざま片手をあげてエールを送ると、彼も気づいて手をあげて応えてくれた。
バイクも自転車並みに少ないから目立つんだろうか。
ちなみにナラボー横断の難易度的には
キャンパー≦普通車<<バイク<<<<<<<<<自転車
だと個人的に思っている。
ボーダービレッジでは検疫のため生鮮食品を持ってないか訊かれたが、持ってないと答えるとチェックもなく良い旅をと言われておしまい、ちょいと拍子抜け。
直線区間に入る前は、右手に高度差50-100mくらいの壁のような尾根が延々と続いていて、素直な風さえ入っていればパラでどこまででも行けそうな感じ。
横Gがいたら、「おっ、あそこから飛べそうじゃない?行ってみない?」とか言いそうなくらい。
まあ途中で降ったら恐ろしいことになりそうな気もするが。
直線区間の直前、Caigunaのロードハウスでランチ。
ついでに水も補給。3Lで75セント取られたが、場所が場所だけに納得。
かすかにしょっぱい味を感じたので、井戸水だろうかと思った。
看板のところで記念撮影、もう多分二度と通ることはないだろう。
そして直線区間。
通るころにはすっかり午後遅くになってしまったが、行けども行けどもまっすぐな道。
起伏のない場所を見つけて何度か写真撮影。
360°の地平線、その彼方へどこまでも続くまっすぐな道路。
20年くらい前のTVゲームの世界を具現化したような光景がそこにはあった。
直線区間が終わりしばらくしたところでキャンプ。
結局この日は3人のサイクリストとすれ違った。ちなみにモーターバイク乗りも3人見かけただけ。
この道ではバイク乗りも希少種なのかも。